愛媛県のとべ動物園で出逢った、若いニホンザルのお母さん。
胸に抱いている我が子は・・・残念ながらもうすでに冷たくなっています。
キーパーさんに話を聞いたところ、数日前に亡くなってしまって、埋葬したいのだけれど母親がどうしても子どもを手放さず、近寄ったら子どもを連れて逃げてしまうため、どうすることもできないそうです。
もうすでに動かなくなってしまった我が子に、お母さんは一生懸命毛づくろいをします。
近くでケンカが始まれば、巻き込まれないように一番遠くへ子どもを連れて逃げて行きます。
雨が降ってきたら、岩陰の雨のかからないところへ子どもを置き、ほかのサルたちが雨宿りするくらいの強さになってもひたすら食べ物を探して口へ運びます。
まるで子どもが動かないのは、自分の乳の出が悪いせいだ、と自分を責めるように・・・。
ファインダーをのぞきながら、涙が出ました。
この親子にレンズを向けている自分も、胃袋の中に鉄の味がするようでした。
願わくば、この優しいお母さんのもとに、小さな魂がもう一度戻ってきてくれますように。
人気ブログランキングへ