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けだものだもの

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2010年 06月 18日

檸檬

国立からの帰り道
そのまま羽田空港に行ってもよかったのだけれど、ふっと御茶ノ水で降りてみた。

駅を降りて、聖橋。

神田川と、それに寄り添うように走る中央線の線路。
頭の中でゆっくりと流れてるメロディは、さだまさしの『檸檬』
東京へ来て、初めて離れたくないと思った。大好きな風景。
この場所へ立って、初めてこの歌の意味が分かった。

わりあいと緑の多い、谷沿いのひんやりした空気と広い空。

それと対照的に無機質に流れる、時間と人の流れ。

その中にいると、自分だけ時間の流れに置き去りにされたような錯覚に陥る。
そんな心象風景を、さださんはこれ以上ない言葉を選んで切り取ってた。

アタシはそんな。無機質な時の流れを切り取る腕を持っていない。
いつか切り取れるようになれたらな、と。少しだけ思う。


或の日湯島聖堂の白い 石の階段に腰かけて
君は陽溜りの中へ盗んだ 檸檬細い手でかざす
それを暫くみつめた後で 「きれいね」と云った後でかじる
指のすきまから蒼い空に 金糸雀色の風が舞う

喰べかけの檸檬 聖橋から放る
快速電車の赤い色が それとすれ違う

川面に波紋の拡がり数えたあと 小さな溜息混じりに振り返り
捨て去る時にはこうして出来るだけ 遠くへ投げ上げるものよ

君はスクランブル交差点斜めに 渡り乍ら不意に涙ぐんで
まるでこの町は青春達の 姥捨山みたいだという
ねェほらそこにもここにもかつて 使い棄てられた愛が落ちてる
時の流れという名の鳩が 舞い下りてそれをついばんでいる

喰べかけの夢を 聖橋から放る
各駅停車の檸檬色が それをかみくだく

二人の波紋の拡がり数えたあと 小さな溜息混じりに振り返り
消え去る時には こうしてあっけなく 静かに堕ちてゆくものよ
  『檸檬』 lyrics/さだまさし

檸檬_c0198421_22373165.jpg

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by tom_oki1108 | 2010-06-18 22:42 | 上野動物園


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