いつものように、タイヤに座ってお客さんに背を向けて、もくもくとゴハンを食べてるタンタンさん。
今までなら当たり前のように、左側を向けばもっと大きな人だかりができてた。
内気なタンタンさんと対照的に、おなかを見せて豪快に笹の葉っぱを食べるコウコウさんがいたから。
アタシは美パンのタンタンさんが振り向いてくれるのをいつも待ってたけれど。
お客さんのウケがいいのは、やっぱり表情豊かなコウコウさん。
いつもいつも、大勢の人に囲まれてたね。
でもこの日は。
見慣れたグラウンドに、もうコウコウさんの姿はなくって。
でもグラウンドを眺めていたら。
いつものように、のそのそ歩いてるコウコウさんの姿が重なるように思い浮かんできて。
まだそこにいるような錯覚に陥って。
涙が出てきました。
タンタンさんがいつもと同じようにゴハンを食べている姿をファインダーごしに見ていると。
神戸にパンダが一頭になってしまったことを、いやが上でも実感させられて。
やっぱり涙が出てきてしまいました。
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