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けだものだもの

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2012年 05月 09日

熊牧場

この冬、秋田県で脱柵した熊による悲しい事故が起こってしまった。
経営者は閉園することを決めたが、わずかにツキノワグマだけ同じ秋田県のマタギの生活を展示している施設に併設された熊園に引き取られることになりそうだが、それ以外の熊たちの引き取り手はほとんどないと言う。
これは致し方ない。
マタギの狩りの対象となった熊はツキノワグマだけ。それ以外の熊を引き取る理由はない。

一時全国に観光施設として、なぜか熊牧場がブームになった時期があった。
きっとここも、そんな流れで作られたものだろう。
でも今は、北海道以外ではほとんど営業しているところはない。
北海道ならともかく、ただやみくもにいろんな熊を集めてきたところで、動物園が見世物としての施設から脱皮しつつあるご時世では、存在理由がなくなったということだろう。

じゃあ熊たちは?
大きな体の猛獣である。
仮に引き取りたいところがあったとしても、飼育するスペースがない。
しかも、基本的に動物園とは違う人との付き合い方で育ってきた熊たちである。
それまでその動物園にいた熊たちと、うまく交じり合って暮らしていけるかどうか?
入れてみなければ分からない賭けである。
そのリスクを背負ってまで、引き取る施設はまずないだろう。

残念ながら、この熊牧場で一生暮らして、死んでいく以外にない。
でも経営者が手を引いてしまった以上、この子たちはいったいどうなってしまうのだろう?
ずさんな管理が起こした悲しい事故だったけど。間違いなくこの子たちも犠牲者だ。

一生面倒を見れないのなら。
簡単に命をもてあそんではいけない。
熊だけじゃない。犬にせよ猫にせよ。
動物を飼うというのは、そういうことだ。
熊牧場_c0198421_22363414.jpg

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by tom_oki1108 | 2012-05-09 22:41 | 王子動物園


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